VISION SPEECH

From Student

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「誰一人取り残さない世界」

を実現するために

私たちにできること

From Professor

Vision Speech Theme

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代表学生 ビジョンスピーチ

 

 皆さんこんにちは。

 

 本日は150名以上の学生と、また何より部分参加も含めて40名もの先生方とともにカレッジサミットを行い、こういった素晴らしい形で開催することができたことに本当に感動しています。参加してくださった皆様、心からありがとうございました。

 

 世界中でSDGsを中心として、社会問題や環境問題の解決が叫ばれる中で、SDGsの理念にある「誰一人取り残さない」世界実現のために、私たち大学生に一体何ができるだろうか。そう考えたときに、目の前にある現実があまりにも大きく、難しさや、自分たちの無力さを感じることも多くありましたが、「大学からSDGsを推進していきたい!」そういった思いに共感してくださる先生方や友人らの協力を得て、少しずつ形を作っていきながら、本日こういったイベントの開催にたどり着くことができました。

 

 また、先ほどのグループセッションを通しても、専門分野を研究してこられた教授の知識や経験と、純粋な学生の情熱が合わさるところには、問題解決のための、非常に大きな可能性が秘められていることを感じました。

 

 そして、このカレッジサミットはそのテーマにもあるように、誰一人取り残さない世界実現のために、私たち大学生に一体何ができるだろうかという疑問から出発したものでもありましたが、私は、このカレッジサミットのような、大学を起点とするプラットフォームの構築こそ、その疑問に対する一つの答えであり、SDGs実現に向けての非常に大きな一歩であるということを確信しています。自分たち学生は、今日得た学びや、持った問題意識をきっかけに、さらに勉強していきながら、感じたアイディアや、出てきた疑問点などを、専門の先生方に質問することを通して、またアドバイスをいただきながら、より本質的な具体的なカレッジサミットを起点とした問題解決に向けたアプローチを生み出していきたいということを思っています。

 

 最後に私たちは、このカレッジサミットを、決して一度限りのイベントとして終わらせることなく、平和な世界に向けた、SDGs実現に向けた問題解決のためのプラットフォームとして、これからも持続的に発展させ続けていきたいと思っています。

 以上です。ありがとうございました。

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滝沢先生 ビジョンスピーチ 全文

 

 皆さんこんにちは。ご紹介いただきました滝沢でございます。

 

 あっという間の2時間という気がしております。司会のお二人、それから発表していただいた三名の発表者の皆さん、大変すばらしい司会および発表ですね。おそらくだいぶ練習されたのではないかと思います。大変素晴らしい発表、それから司会の力で、学生さんがとてもプレゼンテーションに高い能力を持っているのだなと実感しております。

 

学生の力と「Civil Society」への期待

 三題のご発表いただいた内容ですが、自分たちの身近にある環境の問題を取り上げて、仲間を募って取り組むという、まさに学生さんならではの取り組みではないかなという風に感じました。これらのトピックを見て感じたのは時代の感覚といいますか、若い方が持っている、新しい問題に対して敏感に感じてそれに対して課題に取り組むという、まさに若者といいますか、学生さんならではのトピックに取り組まれていると感じました。

 

 またネットワーク力といいますか、友達を見つけて仲間を見つけて巻き込んでいく力が、これも若い学生さんたちの、我々にはなくなってしまった非常にすばらしい力でもありますし、発信力、それからプレゼンテーション力、こういった若い学生さんたちの持っている力を十分に発揮したプロジェクトを実施されているように感じました。発表を聞いていて、是非ともこれらの取り組みをこれからも続けていただきたいという風に感じたところです。

 

 こういった自主的に取り組むといったことが日本ではちょっと弱いと言われているのですけれど、海外のNGOやNPOと話していますと、Civil Societyということが非常に重要になってきています。海外のCivil Societyの中には非常に大きな組織になっているものもあります。私もWater AIDをやっていましたけれど、非常に大きな組織になって、その分野で国際的な評価も高まって発信力があるというようなCivil Societyもあります。皆さんのような取り組みが、やがて日本の社会の中でもCivil Societyというものが成熟していって、しっかりとした市民目線からの発信ができるような取り組みが増えていくのではないかと、大いに期待が持てるところであります。

 

SDGs達成へ、海外の取り組みとも連携を

 さて、皆さんの取り組み大変素晴らしいという風に申し上げたのですけれど、どのような素晴らしい取り組みもしばらく活動を続けていくと、努力をしていくと、ある時に壁にぶつかるのではないかと思います。これは今ではなくて将来のことですけれども、その壁を乗り越えていくためには、自分たちの中だけでの取り組みではなくて、いろいろな違う取り組みをしている人たちと交流を持つこと、今日はそのためのいい機会になったと思いますが、それだけではなくて、SDGsということであれば日本国内だけではなく、海外のいろいろな取り組みとの交流もこれから重要になっていくのではないかと思います。日本の国内の取り組み、それから海外の取り組みですね。こういったものがお互いに意見を交わし合って、新しい未来が展望できるのではないのかなという風に思います。

 

 特に環境の問題を考えていったときに、最初に司会者の方からSolutionということをおっしゃっていたのですが、我々もよくSolutionを見つけなければいけないと言います。ただ、よくこのSolutionという言葉の中にはですね、明示的には言いませんけれども、暗黙的に今の制度、今の仕組みを前提に何か解決策はないかと探すということがあると思うのですね。我々も通常そういう風に考えていきます。しかし、海外の人と交流していると、そもそも社会の規範、あるいは社会の通念のようなもの、こういったものが環境に対して非常に大きく異なっていることがあります。そうすると我々にとってのSolutionだと思っているものが、海外の人にとっては、それはSolutionではないということになります。そうすると我々が前提としているような社会通念、あるいは社会規範というものをもう一度考え直してみることが必要になってくるということがあります。

 

 こういった(ことは)、非常に大きな話かもしれませんけれども、私が学生のころは1970年に公害国会というものがありまして、それ以前に公害というものが日本国の中で非常に大きな問題になっていました。その(公害国会があった)以前は社会開発経済発展というものが国を挙げて(取り組む)第一の目標としてやってきたわけですけれども、その政策がある種行き詰まって、環境と開発とのバランスを取ることが必要だということにようやく気がついて、1970年というのがある種のパラダイムシフトというか、それまでの物の考え方、通念、社会規範というものが大きく転換した年であったという風に記憶しています。

 

 これからの社会のなかで、今我々日本に、2020年に住んでいると今の社会が当たり前、この社会通念、社会規範で生きていくのが当たり前だと考えてはいますけれど、もしかしたらSDGsの目標を達成していく中で社会の今のあり方というものの根本に立ち返って変えていかなければならないということがもしかしたら生じるかもしれません。そんなことを考える上でも海外の方と交流をし、お互いの社会がどういう前提でできているのか、その中でSDGsを達成するためには何を変えていかなくてはいけないのかというようなことをこれから是非とも語り合って、新しい社会を作っていっていただけたらという風に思います。

 

 本日ご参加いただきました皆様ご苦労様でした。皆様のこれからの活動をお祈りしております。

2020年12月6日

東京大学大学院工学系研究科 都市工学専攻教授

​滝沢 智