一般人の家から水が出ないのは当然の世界(SDGs 6, 10)

更新日:3月10日

Keywords: #安全な水 #不平等 #途上国 #水インフラ #社会の矛盾 #若者

6 安全な水とトイレを世界中に

 

私たちはSDGsの目標6「安全な水とトイレを世界中に」と、関連してSDGsの目標10「人や国の不平等をなくそう」を取り上げ、水の不平等問題をテーマにディスカッションを行った。日本にいると中々実感の湧かない「水の不平等」だが、海外に出てみれば、安全な水を得られるというのは決して当たり前ではない。本ディスカッションでは、水の不平等問題が起きている背後の様々な社会問題に切り込みながら、解決の糸口を探っていった。




世界では「当たり前」な水の不平等


 ディスカッションを始めるにあたり、先生から水問題について解説をいただいた。日本では蛇口をひねれば安全な水が流れ、街に出れば綺麗なトイレを利用できるのが当たり前。しかし途上国では水インフラや政府の水管理体制が整わず、安全な水やトイレにアクセスできないために健康被害に苦しむ人々が多く存在する。管理された水が十分に供給されず、汚い水を飲んだ子供が下痢症になり慢性的な栄養失調に苦しんでいる地域もあれば、トイレが街にないために野外排便が横行し、それができない女性は日々トイレを我慢して生活せざるを得ず、結果として女性の腎臓病が多発している地域もある。世界各地を見比べれば、安全な水・トイレへのアクセスは平等でない現状があるのだ。


 しかし水の不平等問題の真の問題点は、安全な水やトイレに恵まれない地域の中に更なる不平等が存在しているところにある。実は、水不足と言われる地域でも富裕層と一般庶民では大きく状況が異なっており、庶民が水不足に苦しむ背後で富裕層は水を平然と使っている事が多い。ガバナンスが未熟な途上国では、政府・水道局が富裕層の顔色を伺い、限られた水を優遇して供給するのが当たり前となっているのだ。

一杯の水が貴重な世界

当たり前でない「当たり前」を正すには


 そんな途上国の現状を知り、学生から次のような声が上がった。「国内の政治の腐敗が平等な水供給の障害となっているのなら、他国が外部から干渉し、不平等を正してあげる必要があるのではないか」しかし先生の経験から見た時に、問題はそう単純ではないという。途上国の人にとっては、富裕層の家では毎日水が出て一般庶民の家では出ないというのは至って当然の事であり、その不平等さを他国が指摘したところで彼らはどこが不平等なのかピンとこないというのだ。そんな「当たり前」になってしまっている不平等を正していくには、時間はかかるが現地の人々が自らその状態のおかしさに気づき、改善しようと立ち上がれるように、教育しサポートすることが重要であると先生は語る。


若者こそ社会を変える原動力!

 

 水の不平等という問題一つを取ってみても、背後には政治や利害関係、社会の矛盾が大きく複雑に絡んでいることに直面させられる。そんな問題を解決するには、時として社会全体がその問題に対する認識を新たにし、社会の仕組みを変えていく事が必要となる。参席した学生たちに先生は、「まだ多くの知識はないかもしれないが、だからこそ既存の価値観や権益に縛られず、安定に拘る事のない若者にこそ、その変革を起こす力があるのだ」と語り、期待をかけてくださった。


 

【学生の声】


学生1:

 水問題は、ただ先進国の技術を伝えれば解決するのではなく、給排水の不平等や政治、現地の風習にも目を向けながら支援していく必要があるのだと学びました。今まで知らなかった水問題の実態について多く学び、水の不平等に対する問題意識が高まりました。


学生2:

 水問題一つを取ってみても、そこには政治や風習が絡み、日本の常識では通用しない、簡単には解決できない問題なのだと感じました。簡単には変えられない社会ではあるものの、その中で現地の人に押し付ける形ではない、私たちが取るべき姿勢を教えていただき、私たち若者が深く考えていくべき問題であると考えさせられました。



【まとめ】


 水の不平等問題というたった一つの問題を取り上げただけでも、社会が多くの矛盾を抱え、それらが複雑に絡み合って問題を引き起こしているという事に気付かされた。私たちはSDGsというゴール・理想に向かっているが、これから世界が抱える問題を実際に解決しようと向き合えば向き合うほどに、現実を知り、解決の困難さに直面させられるだろう。そんな中でこそ、先生が語ってくださった若者としての囚われのない価値観・情熱を大切にしながら、難しい現実を超えて解決を志す者となっていきたい。

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