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恵まれた私たちに託された使命(SDGs 3)

更新日:2022年3月10日

Keywords: #公衆衛生倫理 #新型コロナウイルス #公平な分配 #弱者 #無償の愛

3 すべての人に健康と福祉を



私たちはSDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」に関する、公衆衛生倫理の分野で、「新型コロナウィルスワクチンの公平な分配」をテーマにディスカッションを行なった。論点は、

①どのように分配するのが正義に叶うか

②どのように分配すべきか

の2点である。





➢ 猿でも感じる「不公平」


 ワクチンの公平な分配を考えるにおいて、まずは公平とは何かを考えなければならない。そこで、公平とはズルくない事、不公平ではないことであり、行政は特定の集団に対して不当に利益を供与してはならず、それでこそ公平は実現されるということであった。どうやら猿でも不公平を感じるようであり、不公平の定義は公平より明確であり得る。


本質を捉える知を他者のために使うことが大学生の使命


 公衆衛生向上のメインターゲットは「弱者」である。一般的に情報弱者と言われるインフォーマルな層の底上げをすることが治安維持や向上にも資し、社会全体の幸福が実現される。弱者を救うには本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気が必要である。大学生という立場の我々は明らかに恵まれた立場で教育を享受できている。この知を他者のために使うということは我々大学生の使命でもある。


公平な分配とは?


万人が弱者である


 ここで、「弱者とは何か」ということを考える。一般的には教育や経済的弱者が想定されるが、結論としては万人皆が「弱者」である。例えば、精神疾患者の割合は高学歴に多いという。特にコロナ禍における現在では精神的に追い詰められる「弱者」が出現した。日本で豊かな生活ができる我々もいつ「弱者」と化すかはわからない。今必要なのはお互いがお互いを支え合うことだと言えるだろう。


➢ 声を上げること 忖度をすることの大切さ


 また、弱者が声を上げることも重要である。限られた資源の分配では声の大きい者の希望が通ってしまうなど、「言った者勝ち」な現実がある。その中で、弱者が声を上げやすい雰囲気を作り、弱者に忖度をすることが重要である。恵まれた者には、弱者に無償の愛を与えていく使命があることを自覚しなければならない。


 

【学生の声】


学生1:

 今回のディスカッションで印象的だったのは最後に先生がおっしゃっていた「先進国には使命がある」という話でした。先進国は先に発展したからと言って奢ってはいけないし、自分自身も「恵まれているから、世界の問題は関係ないや」と思うことなく、世界の問題に関心を持っていきたいと思わされました。コロナのワクチンをどう分配するかという話から、とても本質的な話をお聞きすることができたこと、そして先生とディスカッションをすることができたことが大変光栄で、嬉しかったです。



学生2:

 「他者を感じる」「恵まれた私たちには使命がある」という教授からのメッセージがとても心に残りました。家庭よりも世界のために生きること、(最終的には身近な人も幸せにする)大義のために努力していく生き方は、とても素適だと感じました。私はまだ学生で、教授のように具体的に様々な研究をすることはできませんが、学生であったとしても先生方からご教授を賜り、自分たちで考えて行動していくことで、より多くの人が幸せに過ごせる世界づくりに貢献したいと思います。また、今の専門分野の学習に励むことで、将来サステナビリティ学のネットワークのどこかに関わりを持っていくのも良いなと思いました。私は個人的に、途上国の医療福祉にも興味があるので、研究論文もいくつか拝見しました。また機会があれば、様々学ばせて頂ければ嬉しいです。



【まとめ】


 教授の専門に限らず、倫理・哲学的な観点を取り入れたことが議論の幅を広げることにつながった。新型コロナウイルスのワクチンの分配という切り口から、弱者を保護することやお互い支え合うことの大切さ、果てには無償の愛という社会の本質的な部分にまで踏み入ることができた。私たちがSDGsの目標達成のために何かをしたいという思いは多くの社会問題の解決に資するという確信を得ることができた時間であった。

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