大学生の小さなアクションが街の人々をつなぐ(SDGs 11)

更新日:3月10日

Keywords: #街づくり #文化的持続性 #持続可能性 #コミュニティ #地域活性化 #地元


11 住み続けられるまちづくりを

私たちはSDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」をテーマにディスカッションを行った。街づくりに関する持続可能性は、環境的持続性が強調されがちだが、人と人とを結ぶコミュニティ形成の場としての建物の機能に着眼すれば、文化的持続性という観点が見えてくる。そこで今回は、文化的持続性の観点から街づくりを考えた。具体的には、

①私たちの街が抱える課題とは?

②「持続可能な街づくり」とは?

③私たちにできることは何か?

の三点である。



空きビルから学生用シェアハウスに


 ディスカッションメンバーの一人から、「私の大学では、学生寮が中心街から離れていて生活が不便である上、大学近辺に大学以外の施設が乏しく、地域の人たちと交流する機会が殆どない」という問題提起がされた。このような学生と地域コミュニティの双方が抱える問題に対して教授からは、前橋市で行われた、空きビルを学生用シェアハウスに改築するという事例が紹介された。学生には地元の行事や集会などのコミュニティ活動への参加を条件に、家賃補助による経済的支援をすることで、学生の生活を支援することと希薄化した世代間のつながりを生み出すことの両方を実現しているのだ。街に活気を戻すコミュニティ形成の起点となるので、文化的持続性の観点から見て、持続可能な街づくりへの画期的な実践例といえよう。また、高齢化が進み、空き室が増えている前橋市内の団地に、学生が自ら改装し部屋をシェアする住戸を設け、地域の活性化を図る試みも紹介された。



世代を超えた繋がり


➢ 「熱血!高校生販売甲子園」が長期的な地域活性化を

 

 ディスカッションが白熱する中、教授からは、私たちと同じ大学生による地域活性化に向けた取組み事例が紹介された。地方が抱える課題の一つに、後継者不足や過疎化を背景にして、長き伝統を持つ商店街の店舗が相次いで閉店、シャッター街化していき、街の伝統や文化が衰退してしまうというものがある。この問題に対して、高崎経済大学の学生有志の団体が、地元の高等学校に呼びかけ、高校生が商品を企画・販売する「熱血!高校生販売甲子園」というイベントを開催しているという。「販売甲子園」では、大学生の協力のもと、高校生自らが商品を考え、仕入れ、販売し、「売上・利益・接客・アイディア」といった項目の審査や一般投票から優勝を決める。大学生だけで問題解決を目指すのではなく、地元の大学生と高校生が共に取り組むことで、より若い世代が問題意識を抱き、地域に根差した継続的問題解決への流れを作ることができる。かかる事例に触れた学生からは、「環境の移り変わりが激しい大学生でも、地元の人たちと協力することで継続的長期的な問題解決を図ることが可能な取組みであることに大きな可能性を感じた。サークル活動でも具体的に実践したい」などの声が相次いだ。


 

【学生の声】


学生1:

 街は様々な年代、性別の人が関わり合っていないと衰退してしまうという話を伺い、私自身も大学生として大学の中だけのコミュニティで完結するのではなく、もっと地域に出て様々な年代や立場の方々と接することが重要だと感じた。


学生2:

 持続可能社会の実現に向けて、地元の高校生と交流し、協働でプロジェクトを進めていくやり方に希望を感じた。学生と地域が繋がり、一緒に地域の活性化を図ることが出来るよう、まずは私からできることに取り組みたいと思った。


【まとめ】


 今回私たちは、関東出身から九州出身、学部生から院生、専攻は農業、美術、法律、国際関係と非常に多様な背景を有する学生らが集い、建築史分野の第一線で活躍される先生をお迎えして、「持続可能な街づくりとは何か?」について話し合った。参加学生の一人ひとりが、自分の地元が抱える課題と向き合い、その解決策を議論する中で、見慣れた地元だからこそ自覚していなかった問題を再度発見するとともに、「大学生である今の私だからこそできることがある」と強く実感する機会になったと思う。一人ひとりの背景は違えど、教授を中心として同じ問題意識を共有し、自分自身の可能性を再認識した今回の議論の場が、具体的な問題解決につながる萌芽となることを切に願うものである。

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