廃プラスチック問題とSDGs教育

更新日:3月10日

SDGs: #9_産業と技術革新の基盤をつくろう #10_人や国の不平等をなくそう #12_つくる責任つかう責任 #14_海の豊かさを守ろう



Theme


私たちはSDGsの目標12「つくる責任つかう責任」と、関連してSDGs目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」を取り上げ、廃プラスチックとSDGs教育をテーマにディスカッションを行った。クリーンなイメージの日本だが、その裏で起こっている世界各国の問題は果たして私たちには関係がないものなのだろうか。本ディスカッションでは、主に #廃プラスチック に焦点を当てながら、世界全体の多様な問題について深く考える場となった。


 

Discussion


私たちはリサイクルを過信しすぎている!?

ディスカッションを始めるにあたり、先生から #廃プラスチック について解説をいただいた。廃プラスチックとは、日常生活から発生する使用済みのプラスチック容器や製品、工場の製造過程で出る小さなプラスチックなどを含む、プラスチックを主成分とする廃棄物である。今は、地球規模で廃プラスチックによる #海洋汚染問題 が急速に深刻化している。空気中や海洋中を漂う #マイクロプラスチック についても問題視されてはいるが、目に見える大きさのプラスチックゴミであってもリサイクル処理が追い付いておらず、再資源化できない産業系廃プラスチックは焼却されるか、埋立地へと運ばれている現状がある。


これは、2018年途中まで廃プラスチックを資源ごみとして輸入していた中国が受け入れを禁止した「#中国ショック」と呼ばれる出来事の影響も大きい。つまり、これまでは国内でリサイクルできないごみを、中国をはじめとする開発途上国に押しつけてきたということも事実である。しかし、ここから見えてくる問題は私たちの #リサイクル に対しての意識、リサイクルへの過信ではないか。家庭から出るプラスチック容器包装は回収率が上がり、リサイクルすることによって、新しい製品に生まれ変わっているが、本来はごみそのものの減量を最優先すべきなのにそれを軽んじ、#大量消費#大量廃棄#大量リサイクル の社会を作り上げたのではないだろうか。さらに、汚れたプラスチック製容器包装や他の種類のゴミが混じっている場合には、リサイクルするまでに膨大な手間とコストがかかるのだ。


また日本においては、ペットボトルなどのリサイクルは当たり前になりつつある一方、1000人当たりの #自動販売機 台数が諸外国に比べて圧倒的に多かったり、最近ではコロナの影響で出前が増えプラスチックのごみが増えたりと(プラスチックごみを出す商品の)買いすぎ、捨てすぎというリサイクル以前の問題もあるのだ。


アイデアで後進国の子どもたちを救う

後進国の貧困と格差を解決するプロジェクトがある。それは、リサイクルされずにゴミになってしまうお菓子の袋などを、色やデザインごとに分別し、洗浄、乾燥させた後、綺麗に繋ぎあわせて #エコバッグ を作り、そこに雇用を生むというものである。実際に日本のデパートでお菓子の袋を利用したエコバッグが販売されている。つまり、後進国の母親が賃金を手にすれば、子どもたちにサッカーボールや机を買うことができ、教育の質向上にもつながっていくのだ。このように、廃プラスチックについての問題だけにフォーカスしても、SDGsの項目が6つも関わっているのである。


エコバッグ

SDGs教育、環境教育の重要性

前述したように、廃プラスチックが地球規模の環境問題になった主な原因は不十分な #環境教育 である。日本国内における資源の浪費、リサイクル過信、リサイクル費用負担と責任問題のみならず、開発途上国における環境汚染、漂着ゴミの問題など、この問題を根本的に解決するためには、積極的に環境教育を行う必要があり、より長期的な視点が求められる。


最近では、学習指導要領にも #SDGs教育 という項目がある。しかし実際問題、まだ日本にはSDGs教育を専門とする教員がいない。そのため、教員育成時にSDGs教育や環境教育を必須にする必要性がある。また、教員や学生だけでなく、企業なども含め社会全体が問題意識を持ち、お互いに連携していくことが大切である。


 

Students' View


学生1:

私自身とても勉強になりました。自分が思っていた解決策はとても表面的な部分しか見ていないものであったと感じさせられました。

先生のお話を聞き、あらゆる所でプラスチックが溢れている現状を知りました。マイクロプラスチックの海洋汚染については、生ゴミから作ったバイオプラスチックに変えればいいのではないかと考えていましたが、一筋縄では解決できない問題だと実感しました。全員が同じ意識で取り組む重要性を感じました。


学生2:

廃プラスチックについてディスカッションしてきましたが、今まではただゴミを減らせばいいだけだと思っていました。しかし、いくら対策を取っても、各企業や大学等の学校法人、家庭全てにおいて、協力をしていかなければなかなか(ごみが)減ることはなく、問題解決には至らないものだと思いました。実際に、環境教育を専門としている先生はまずいません。実際、学習指導要領において、ゴミの処理と利用についてという単元がありますが、この授業では、伝えたいこととしてゴミの分別をしようという学びにしかならず、生かされることがあまりありません。これでは、いくら誰かが頑張っても無意味に等しくなると考えます。SDGsについては、知識としてあるというだけでなく、アクションしていかなければならないと思います。個人として何かできることを考え、そこから団体で活動していく中心になっていきたいと心から思いました。普段、ゴミ拾いを個人的にはしていますが、ゴミはなかなか減っていません。自分の住んでいる地域がきれいになるために自ら行動していきたいと思います。


 

Conclusion


私たちが何気なく買っているペットボトル飲料もSDGsに関連しているということを考えたとき、気づいていないだけで身の回りの色んなものがSDGsの対象であると感じられる。SDGsを達成するためには、社会全体で連携していくためにもお互いの正しい情報共有が必要である。それは、産学官連携や動脈・静脈産業の連携と同時に、私たち一人一人が意識を持って、情報を共有・発信していくことであると考える。未来の世界を守るためにも、ここを出発点として大きく広く展開し、まずはできることからアクションをし続けていきたい。

閲覧数:234回0件のコメント