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海のプラごみ問題の本質的解決に向け、世界的視点を抱け(SDGs 14)

更新日:2022年3月10日

Keywords: #海洋プラスチック問題 #プラスチックごみ #第三世界 #リユース #ドイツ


14 海の豊かさを守ろう


SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」には海洋プラスチック問題が含まれる。私たちの身近で使われているプラスチックではあるが、現在、海洋汚染の観点から問題視されている。本ディスカッションでは、この海洋プラスチック問題に対して学生が抱く思いや考え、そして教授の考えや見てきた世界、二つの側面から海洋プラスチック問題を深く見つめてみた。





➢ 私たちが拾おうと、世界ではプラごみが海に流れ続ける


 私たちが目にするプラスチックごみは、世界的に見てどれほど深刻なものなのであろうか。身近な公園や川にゴミが落ちていると、私たちはこれらのゴミを拾うことで何とか海洋汚染を防げないだろうかと考える。しかし、私たちがゴミを拾っている日本とは別の大陸で、大量のゴミが川へ捨てられ、海へ流れ出ている。これがアジア、アフリカ、ラテンアメリカをはじめとした第三世界の現状である。ゴミの処理すらままならない地域が未だに存在している。この現状を知るときに、ただゴミ拾いを続けるだけでは海洋プラスチック問題の根本的な解決の道は遠いことに気付かされる。


魚の大群

➢ 拾ったプラごみは如何に処理され最終的にどうなるのか


 日本はこれまで回収したプラスチックをどうしてきたか。日本はこれまでリサイクルしたプラスチックの多くを中国や東南アジアに輸出していた。しかし、近年では中国が輸入しなくなり、リサイクル目的で集まったプラスチックの処理に関して議論がなされている。今回のカレッジサミットで発表された学生の活動も、プラスチックごみを拾うまでの話が殆どで、拾った後の話は出てこなかった。ごみを拾ったのちにはその次の段階としてプラスチックごみを集め、リサイクルし、どこに行きつくのかまで考えていく必要がある。


➢ プラごみ削減へ、リユース容器のメリットと導入への壁


 ドイツではプラスチックごみの削減のため、飲料容器にデポジットシステムを導入し、ペットボトル(ワンウェイ容器)から瓶(リターナブル容器)への置き換えを積極的に進めている。一度使用した容器を作り直すリサイクルより、洗って何度も使うリユース容器の方がはるかに環境に優しい。日本でも同様に再利用可能な瓶に置き換えれば良いと考えられるが、現実はそうなっていない。瓶をすべて回収し洗って再利用するよりも、ペットボトルに入れて販売するほうが容易であるからだ。マイボトルを用いることもできなくはないが、衛生面から難しいと考えられている。

 

【学生の声】


学生1:

 私たち学生の様々なアイデアに対して、教授ならではの知識と視点から課題や問題点を指摘してくださり、より自分たちのアイデアが深まったことを感じました。またマイボトルを活用したら良いのではないかという意見に対する「それは衛生的に実現しないだろう」という指摘には納得させられました。教授が私たちの話を積極的に聞きつつ、現状や実現性を提示してくださったため非常に学びの多い時間でした。


学生2:

 正直、海洋問題に対してまだ知識や理解が乏しいところもありましたが、先生が話してくださった第三世界の現状、海外での取り組み、世界次元での問題解決の内容が大変印象に残りました。一人ひとりの意識の問題や小さなところから始められる部分は稚拙ではありますが、より世界的なレベルで、本当に海をきれいにするにはという観点でもっと根本的かつ、具体的な解決策をもっと深く考えていきたいと思わされました。



【まとめ】


 海洋プラスチック問題を解決していくにはグローバルな視点が不可欠である。私たちが普段ゴミ拾いをしている海岸と世界の海岸はつながっている。今回、私たちが未だ知りえない第三世界の現状を先生から見聞きすることができた。日本での活動が霞むほどに世界の海洋プラスチック問題は深刻である。学生であるうちにこのような現実を先駆けて知ることができたことは良かった。

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