複雑なグローバル社会において日本に求められるもの
Keywords:#グローバル化 #多様性 #VUCA #ビジネス効率 #問題解決力 #創造力

Theme
今回、私たちのグループでは、「グローバル化」というテーマから、多様な国家が集まる世界のなかで日本に求められること、そして、大学生である私たちが今後身につけていくべき事柄等に関して、先生からいくつかのキーワードをいただきながらディスカッションを行った。
Discussion
"不確実"で"曖昧"な現代に必要となる グローバルな多様性
先生から「グローバル化の良いところは何か」と問いかけられた。学生からは「国同士が垣根を越えて交流できるようになること」や「お互い助け合える関係性を築ける」といった意見が出た。それに対して、先生はグローバル化の良いところは「多様性」であると語られた。多様性に関しては「VUCA」という言葉からより詳しくその重要性を説明できる。
VUCAは「不安定さ(Volatile)」「不確定さ(Uncertainly)」「問題が複雑(Complexity)」「曖昧(Ambiguous)」の4つの単語の頭文字から成る言葉で、以前、陸軍の大学で教えられていた内容であるという。つまり、今の世界は、いつ何が起こるかわからず、様々な問題も複雑で曖昧な状況であるという意味である。先生はそのような世界において、私たちはグローバル化によって生まれた多様性を活かすことが大事になると語られた。
日本の競争力の低下の原因は「ビジネスの効率」の悪さ
日本の競争力の高さは、2005年には世界で19位だった。しかし、2019年では30位という結果になっており、日本の競争力が年々低下していることを先生は懸念されていた。低下している主な原因として、日本のビジネスの効率性の悪さがある。グローバル化による多様性への態度や決断の遅さが、競争力を低下させてしまった原因であったことがわかっている。
それでは、日本は今後どうしていけばいいのだろうか。もちろん読む力や数学力などの基礎知識を身に着けることは大事であるが、その上で、必要なスキルが4つある。それは「問題解決力」「創造力」「コミュニケーション力」「協働力」である。
世界から注目される「日本」
ここまで、「グローバル化」というテーマから日本の課題を見ていき、そこから今の私たちに必要となるスキルを知った。そして、ディスカッションの最後には「日本の良いところはあるか」と先生から質問された。これまで日本の課題ばかり挙げてきたが、実は日本は他国から注目されていると先生は語られた。海外で人気の言語学習アプリが発表した集計によると、アメリカやカナダでは第二外国語として日本語を勉強する人が一番多い。世界中の多くの人が日本に関心をもっている。そこで、学生の立場から考える日本の良いところを共有した。学生からは、治安が良いことや、おもてなしの文化といった声があがった。
Students' View
学生1:
特に印象に残ったのは、異なる背景を持つ人と話すことで Idea は生まれるということです。先生が紹介してくださった VUCA の言葉に表れているように、まさに現代社会の抱える問題は絶えず変動し、解決策も複雑かつ曖昧であります。グローバル化によって、コロナを含め、問題は国境を越えた規模になっていると改めて認識させられましたが、多様な人と関わることで解決策は生まれると感じました。そのうえで、問題に対する好奇心や、分からないながらも忍耐心をもって取り組み続ける力、多様な人と関わるコミュニケーション力、変動し続ける世界の問題への適応力など、様々な力が求められていると感じました。
学生2:
特に VUCA の内容が印象的でした。今の世の中はまだまだ不透明な部分が多く、身の回りに溢れる様々な情報に左右されないように、自分自身の問題解決力や創造性を養うことを意識して、今後の大学生活を送っていきたいと感じました。自己の成長を日々追いながら、SDGs などの様々な問題に対して考えを深めていきたいと思います。
Conclusion
ディスカッションの最後に、先生からの総括として「日本は良い部分と悪い部分があるが、このバランスが難しく、これこそ複雑で曖昧である」という言葉をいただいた。「その中でも、あなたたちがこれから創造性や協調性を活かしていきながら、グローバルな問題に対して積極的に取り組んでいってほしい」という激励の言葉もいただき、今回のディスカッションを生かして今後の活動にも主体的に取り組んでいきたい。