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SDGs ≠ 環境問題? SDGsの正しい理解の仕方

Keywords : #SDGs #MDGs #根本意義 #環境問題 #人権問題 #CDP #ESG


花


Theme


本ディスカッションでは、「SDGsは環境問題ではなく、MDGs+環境問題である」というテーマのもと、日本人のSDGsに対する誤った捉え方を見直し、様々な問題を正しく認識することの重要性を学んだ。また、メンバーが各々の専門分野と関連付けながら、これまでのSDGsに対する認識を共有し、それを元にSDGsの本来の意義について議論した。


 

Discussion

言語の違いから生じる SDGsに対する日本人の誤解

我々日本人は、日本語で翻訳されたSDGsの内容を読み解釈しているが、それで正しい理解ができているだろうか?SDGsは、もともと国際連合により英語で作られたものであり、日本語で示されるものとニュアンスが異なることから、SDGsに対する誤った捉え方が広がっていることを岡村先生は指摘された。


例えばSDGsの目標1について、日本では「貧困をなくそう」と表現されているが、国連では「NO POVERTY」と明記している。英語で「No」というのは「絶対、完全になくす」という強い意味が込められているが、日本語の「貧困をなくそう」という表現にはそのような強い意味が表現されていない。また、SDGsの目標達成に向けたターゲットの対象を見ると、個人に対するものよりも政府や企業など、より大きな組織を対象としているものが多いが、世界で定められた目標のこうした意図を正しく理解して、SDGs達成に向かう日本人は少ない。


このように、SDGsが示す本来の目標と日本人の捉え方に少なからず差異がある中で、SDGsを正しく理解するためにはどうすればよいだろうか?岡村先生は国連が英語で公式的に提示した内容を見ることの重要性について語られた。現在は嘘の情報も多く、たとえ日本語に翻訳されたものであったとしても間違った内容が混在している可能性もあるため、公式的に英語で説明されたものをGoogle翻訳機能等を用いて、改めて翻訳したうえで見ることが正しい理解に繋がると助言してくださった。


SDGsはあらゆる分野と関わり合う

「SDGsは環境問題ではなくMDGs+環境問題である」と岡村先生はディスカッションの冒頭で語られた。そのように語られた意味は、専門分野の異なる学生が各々の関心のあるSDGsの内容を共有する中で分かるようになった。


今回は看護や農業、経済などを専門とするメンバーが集ったが、メンバーの多くは最初はあまり自分が学んでいることがSDGsに繋がると思っていなかった。しかし、看護は健康問題に限らず人権問題についてもSDGsに関連して学べることが多くあること、農業分野においてはバイオ燃料を例に挙げながら持続可能なエネルギー創出のために様々な観点から検討する必要があること、さらに経済分野においてはCDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)やESG(Environmental, Social, and Corporate Governance )のように環境に配慮する企業を高く評価する仕組みが整えられてきているということなど、各々が学んでいる内容がSDGsに確実に関連していることを学んだ。それはSDGsが環境問題だけでなく、MDGsで大きく扱われた健康問題や教育問題、人権問題などをも同様に基礎として問題解決に臨んでいるがゆえである。SDGsは前身であるMDGsを基礎としながらあらゆる分野と関わりあって成り立っている。だからこそ広い視野を持ってSDGsを捉えていくことが重要となる。


 

Students' View


学生1:

 SDGsは環境問題+MDGsであり、17のゴールという以上に169のターゲットを見ることの重要性を学びました。私自身、SDGsと聞けば主に環境問題を想像しがちでしたが、今回異なる専門分野を持つメンバーと共にディスカッションする中で、SDGsが本当に多方面に渡って相互に関連し合っているものであることを実感しました。


学生2:

 日本語で翻訳された情報には嘘の内容もあるという事実を新たに学びました。国連が真に目指しているものが正しく伝えられないのは、それだけ言語の壁が高いということの表われであると思います。SDGsの内容は多様な言語に翻訳されて、それぞれの国で理解されているということを思うと誤解は簡単に生じてしまうものだと思いました。しかし大切なのは、違いに気づいて正しく認識することであると、先生がおっしゃっていたように、偏見を持つのではなく、まずはその事実に気付き、受け止めていきたいと思いました。


 

Conclusion

 

今回参加した学生はそれぞれ専門分野も異なり、SDGsについて直接学んだことがないメンバーが多かったが、岡村先生がSDGsの本来の意義や正しい認識の仕方をわかりやすく教えてくださり、世界の問題に正しく向き合うための一歩となった。特に、専門分野に合わせて関連するSDGsの内容を一人ひとりに教えてくださり、相互に関連するSDGsの特性を学ぶことができた。


最後に、人は国や人種、宗教などが違う中で、違いや差別が出てくるのは当然のことだが、その違いを認識して互いに理解しあうことが重要であるということを学び、様々な違いのある世界の中で皆が心地よく過ごすための教訓を得るとても良い時間となった。

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